妹に彼氏を寝取られ傷心していた地味女の私がナンパしてきた年下イケメンと一夜を共にしたら、驚く程に甘い溺愛が待っていました【完】
「亜夢?」
「……百瀬くん、ギュッて、して?」
「いいよ」

 私の言葉に頷いてくれた百瀬くんはギュッと強く抱き締めてくれると同時に、

「……けど、そんな可愛い事言われると、ご飯どころじゃなくなっちゃうんだけど」

 なんて耳元で囁くように言ってくる。

「……ご飯、今じゃないとダメ?」
「え?」

 私がそう問い返すと、百瀬くんは驚いているようだった。

 多分彼は私が別の言葉を返してくると思っていたんだと思うけど、私も今はご飯よりも百瀬くんとくっついていたいし、キスとか、その先も……して欲しいと思っていた。

「……その返し、狡くない?」
「そう、かな?」
「そんな風に言われたら、俺もう止められないけどいいの?」

 抱き締めてくれていた腕が離れ、向かい合う形になると視線がぶつかり、百瀬くんがそう確認してくる。

 見つめたままで『いいよ』と答えるのがちょっとだけ恥ずかしかった私は軽く視線を外しながら、「……うん、いいよ」と口にした刹那、立ち上がった百瀬くんによって身体をフワリと持ち上げられた。

「も、もせ……くん?」
「本当に、亜夢は狡いよ。最近特に可愛過ぎて身が持たない。今日はもう飯、食えないかもね」
「……っ!」

 百瀬くんは私を抱き抱えてベッドまで移動しながらそんな事を言ってくる。

 彼のその言葉の意味を何となく理解した私の頬は熱を帯び、紅くなっていたと思う。

 そして、身体をベッドの上に降ろされると同時に百瀬くんは私の上に覆い被さり、

「――ッん、」

 熱を孕んだ瞳で見つめてくる彼に顎をクイッと持ち上げられると、そのまま唇を塞がれた。

 私は百瀬くんに身を任せるように目を閉じると、何度となく与えられる口付けに応えていく。

 付き合ってからキスなんて何度したか分からないのに、毎回初めてみたいにドキドキさせられる。

 キスするだけで、身体の奥がキュンと疼いて仕方ない。

 何度キスしても、身体を重ね合わせても飽きる事なんて全然無くて、自分から求めるのは恥ずかしいくせに、一度スイッチが入ってしまうと無意識のうちに「もっとして」と強請る自分がいた。
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