妹に彼氏を寝取られ傷心していた地味女の私がナンパしてきた年下イケメンと一夜を共にしたら、驚く程に甘い溺愛が待っていました【完】
「あ、でも……亜夢には何もしない方がお仕置きになるかなぁ?」
「…………ッ」
「だって、期待されたらお仕置きにならないもんね」

 百瀬くんは、やっぱり意地悪だ。
 ニヤニヤと、笑みを浮かべると、私から離れていく。

「さてと、そろそろ寝よっか? 明日も仕事だしね。亜夢は今日どうする? 部屋、戻る?」
「…………」

 期待させて、何もしないなんて。

 今日は泊まるって分かってるくせに、そういう事聞くとか、本当に意地悪だ。

「……やだ」
「え?」
「……意地悪、しないで……」

 からかわれてばかりは面白くなくて、私は少しだけ頬を膨らませて俯くと、消え入りそうな声で意地悪をしないで欲しいと訴えた。

「ごめんね、嘘だよ。亜夢おいで」

 寝室へ向かう途中だった百瀬くんが手を広げて私を呼んでくれたから、私は答えるよりも早く彼に駆け寄り抱きついた。

「一緒に寝よ」
「うん」

 ギュッと抱き締め、額にチュッと口付けてくれた百瀬くん。

 リビングの灯りを消すと、彼に手を引かれて寝室へと向かい、二人一緒にベッドへ入る。

「――亜夢」
「百瀬くん……」

 再び抱きしめ合いながら、キスを交わす。

 何度かキスを交わした後、百瀬くんは私の目を見つめてくる。

「亜夢」
「何?」
「あのさ、この先何があっても、絶対に俺を、信じてくれる?」
「え?」
「答えて」
「うん、勿論……信じるよ?」
「本当に本当? 絶対にだよ?」
「うん。でも何でそんな事聞くの?」
「だって亜夢はすぐに嘘つくんだもん」
「え? 嘘なんてつかないよ……」
「いーや、ついてるよ。何かあったら言ってって言っても、すぐ隠すでしょ?」
「そ、それは……」
「だから、確認したの」
「……百瀬くんの事は、信じるよ。絶対に嘘をつかないのも分かってるから、何があっても信じられる」
「――そっか。分かった。それを聞いて安心した。とにかく、俺は絶対に亜夢を裏切ったりはしないからね。何があっても、俺が守るから」
「うん……信じてる」

 ギュッと抱きしめられ、優しく頭を撫でられると、それが妙に心地良くてだんだん睡魔が襲ってくる。

 もっと百瀬くんと触れ合いたいのに眠気には勝てず、いつの間にか眠ってしまっていた。

 だから、

「…………これ以上、このままにはしておけない。そろそろ動くしかないよな」

 ポツリと呟いた百瀬くんのその言葉を、私が聞く事は出来なかった。
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