世界を救わなくったって
フィアーバとテイルが結婚したのは、魔王討伐から五年程経ったころだった。
最近、オネスト様が隣国の王子と結婚して、国民はその話題で盛り上がっている真っ最中である。
花嫁姿のオネスト様は幸せそうに見えたが、それが演技なのかは俺には判別できなかった。


「結婚しました」


久しぶりに王都に来ていたフィアーバにバッタリ会って、彼の言った一言目がコレだった。
挨拶すらなかった。
「結婚報告をしたい」という思いが先行したらしい。


「……結婚してなかったのか?」


てっきり、あのパーティーの数日後には親に挨拶しに行ったんだろうなぁとか思ってた。


「勇者が結婚ってなったら、いろいろ面倒くさいじゃないですか」

「なるほど」


確かに、魔王討伐で浮かれている世間のなか、勇者が結婚となったら、記者やら面倒くさい人間がテイルの家に突撃する。
それを防ぐためか。

あいかわらず、テイルのことが大好きなんだな……


「幸せになれよ」

「もちろん。さらに幸せになってやりますよ」


フィアーバは、あどけない笑顔で頷いた。
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