狼上司と秘密の関係
千明は声をかけながら事務所の電気を付けた。
パッと周囲が明るくなると同時に、床に倒れている大和の姿を見つけて息を飲む。

大和は入り口の近くでうつ伏せになって倒れている。


「菊池さん、どうしたんですか!?」
すぐにかけよって助け起こそうとするが、大和は完全に意識を失っているようで持ち上げることができない。
「誰か……!!」


焦って周りに助けを呼ぼうとするけれど、もちろん誰もいない。
晋也も梨江も先に帰ってしまった。

こんなことになるならどちらかについてきてもらえばよかった。
と、今更後悔しても遅い。

とにかく大和が無事かどうか確認しないと。
「菊池さん聞こえてますか? 私大塚です」


何度も声をかけているうちに大和のまぶたが震えて、ゆっくりと目が開いた。
よかった!
意識が戻った!
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