君の隣は誰にも譲れない

「そう。その15パーセントのうちの10パーセントを私が君のお母さんから買い取った」

「ええ!?」

「知らなかったんだね。君の父親は君のお母さんに離婚の慰謝料代わりにそれを渡したんだ。私はそれを現金で買い取った」

「そんな……私何も聞いてません」

「君のお母さんはお金に困っていたようだよ、まあ、それはいい。残りの五パーセントだが、誰が持っているか知っているかね?」

 知るわけがない。お母さんが持っていたことも知らなかった。

「それがね、私も調べたがなかなか見つからない。だが、まあ問題ない。株も君の叔父さんと合わせて半数取得したし、そちらの会社は吸収させてもらうよ」

「……研究所の研究内容、特許などはお渡ししないと言ったら?」

「そんな可愛い姿で可愛くないことを言うもんじゃないよ」
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