ご令嬢ではありません!~身代わりお見合いだったのに、敏腕CEOが執愛に目覚めたようです~
 不安で仕方がなかった。貴富さんに対する好きの気持ちが本物だからこそ、打ち明けてしまったら、元には戻れない気がした。

(なんだか私、自己保身ばっかり考えていて嫌な奴だな。貴富さんは全部振り切って、私のことを好きだと言ってくれたのに。結婚まで考えているって、こんな思いきった行動までしてくれたのに)

 貴富さんに比べると自分はとても狡猾な人間に見えてきた。

 いつもなにも言わずに逃げてきた。きっとたくさん傷つけたのに、貴富さんはずっと追いかけてきてくれた。

「私は、貴富さんのことがずっと好きだったのです」

 私の告白に、貴富さんは目を丸くして驚いていた。

「そんなに驚くことですか?」

 気がついてなかったのだとしたら、相当重症の鈍感だ。でも、貴富さんならあり得るので、なんだか笑ってしまった。

「俺は女心がわからない男だからな。怒らせたり、困らせたり、今後もしてしまうかもしれない」
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