身代わりお見合い婚〜社長に溺愛される365日〜
切ない気持ちで日本庭園を眺めていると、社長が口を開いた。
「外の庭園には立派な鯉がいるそうですよ。見てみますか?」
「へぇ! 見たいです」
立ち上がると、ふらりとした。するとすかさず社長が手を差し伸べてきた。
「大丈夫ですか?」
心配そうな社長の表情。
「大丈夫です。ちょっと飲みすぎちゃったみたいで。外の空気を吸えば酔いも冷めます」
社長に付き添われながら外に出る。
石の敷かれた小道の脇に、竹林や草花が風にそよかに揺れている。
池の周りには立派な枯山水の庭石が配置され、水面には鮮やかな錦鯉が泳いでいた。
風に当たれば酔いも冷めるかと思っていたら、むしろ逆だった。
歩くたびに酔いがまわる。
ぐわんぐわん揺れる頭で、必死に平静を装いながら池を見下ろした。
社長がなにか、私に話し掛けている。でも周りの音が遮断されていく。
(ああ、これはヤバい……)
と気がついた時にはすでに遅かった。
意識を失った私は、そのまま真っ直ぐ池に落ちていった。
「外の庭園には立派な鯉がいるそうですよ。見てみますか?」
「へぇ! 見たいです」
立ち上がると、ふらりとした。するとすかさず社長が手を差し伸べてきた。
「大丈夫ですか?」
心配そうな社長の表情。
「大丈夫です。ちょっと飲みすぎちゃったみたいで。外の空気を吸えば酔いも冷めます」
社長に付き添われながら外に出る。
石の敷かれた小道の脇に、竹林や草花が風にそよかに揺れている。
池の周りには立派な枯山水の庭石が配置され、水面には鮮やかな錦鯉が泳いでいた。
風に当たれば酔いも冷めるかと思っていたら、むしろ逆だった。
歩くたびに酔いがまわる。
ぐわんぐわん揺れる頭で、必死に平静を装いながら池を見下ろした。
社長がなにか、私に話し掛けている。でも周りの音が遮断されていく。
(ああ、これはヤバい……)
と気がついた時にはすでに遅かった。
意識を失った私は、そのまま真っ直ぐ池に落ちていった。