ご令嬢ではありません!~身代わりお見合いだったのに、敏腕CEOが執愛に目覚めたようです~
 ―― 一年後。

 育てにくい子だった絵梨奈は、さらに育てにくい子に成長した。

 話し始めるのも早かったし、元気いっぱいで好奇心旺盛のやんちゃ娘だ。小生意気なところに私は大人気なく苛ついてしまうのだけれど、貴富さんはそういうところがたまらなく可愛いらしい。

 貴富さんの溺愛度合いは半端なく、我儘娘を助長させているようで悩ましい。

 とはいえ貴富さんの溺愛は娘だけでなく、母になった私も変わらず甘やかす。基本的に尽くすのが好きなのかなと思いきや、本人いわくそうではないらしい。

「芳美だからだよ」

 愛おしむような優しい眼差しで私を見る。貴富さんは、出会った時からなにも変わらない。

「もうすぐ芳美さんの誕生日だな。なにが欲しい? どこか行きたいところとかあるか? 海外旅行に行ってブランドバックやアクセサリーのプレゼントとかどう?」

 貴富さんは、浮かれたような笑顔で言ってきた。
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