🆕足湯と君は居場所【BLピュア】

第5話*色彩のバース

*優斗視点

 店に高瀬が来た日の夜、自分の部屋の畳に座りながら、期末テストの勉強をしていた。数学の練習問題が終わると、座ったまま足を思い切り伸ばす。部屋着のショートパンツを履いているから、足の露出している部分が畳に触れる。畳がちょっとひんやりしていて気持ちがいい。

 保健体育の教科書を白いローテーブルの上に乗せて開いた。

 虹みたいにカラフルで、補色がひと目でわかる円のイラストと共に『 色彩のバース』の説明が書いてある。

 個人差はあるが、早くて十六歳辺りになると〝自分の色〟が現れる人がでてくる。それは自分とは正反対の補色の人、ひとことで言えばつがいのような、運命の相手と出会った合図。ちなみに明度が高い方が低い方を引っ張っていくとか。

 色が現れた場合、太陽に手をかざすと指の周りにその色は見えてくる。最初はくすんで見えないが、相手と心の結びが強くなると明るく、はっきりと見えるようになる。

 本当に運命の相手かを確認する方法は、ふたりに色がそれぞれ現れて、ある程度ふたりの結びが強くなり、はっきりと色が見えるようになった時に手を繋ぐ。そして、その手を太陽の光に照らす。するとふたりの手の周りに、普段現れない輝きが現れるらしい。

 恋人だけではなく、親友となる人や血は繋がってはいないが家族同然の人と出会って反応することもある。
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