偽装結婚から始まる完璧御曹司の甘すぎる純愛――どうしようもないほど愛してる

「よかった?」

 確認するように問う響一に花穂は微笑んで頷く。

「あのとき響一さんと結婚すると決めたから、今こうして幸せに暮らせているんだもの。本当によかったです」

 いろいろ有ったけれど、花穂は今の生活に満足している。

 歓迎してくれた祖父に、優しい響一。信頼出来る友人もいる。

(今の私は恵まれている……もし響一さんと本当の夫婦だったらもっと幸せだったかもしれないけど)

 ふとそんな考えが頭を過った。

 この先も変わらず彼と寄り添っていけると約束出来たら。

 心にそんな願いが生まれたことを自覚して、花穂は自分を戒める。

(欲張ったら駄目だわ。私たちは愛がある夫婦じゃないんだから)

 それでも、もし響一が花穂との未来を考えてくれたら……。

「俺も花穂と結婚出来てよかったと思ってる」

「……え?」
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