偽装結婚から始まる完璧御曹司の甘すぎる純愛――どうしようもないほど愛してる
 敏感な舌先が彼のそれに触れられ、身体がびくりと震えた。つい逃げそうになると彼のもう一方の腕が背中に回る。

 逞しく固い響一の胸にお互いの鼓動が感じられる程密着し、大胆にしたが絡み合うキスまでされた花穂の頭はもう真っ白で思考停止だ。体からはすっかり力が抜けている。

 ただただ彼に翻弄される時間を過ごし、最後は彼に横抱きにされてベッドに運んで貰うという刺激的なひと時を過ごしたのだった。
 



 午後六時。アリビオの店内はいつになくガランとしていた。

 ホールには花穂の他にもうひとりスタッフがいるので手持無沙汰になる。

 花穂はキッチンに下がり食器の片付けや雑用をこなしていた。

 オーダーが入らないため、伊那も手が空いているようだ。花穂の作業をなんとなく眺めながら、話しかけてくる。

 仕事の報告など淡々とした会話だったが、響一の話題になると、伊那は突然乗り気になった。

「模様替え? 仲良くしてるじゃない」

「うん。なんとか」

「やっぱりね。絶対に上手くいくと思ってたわ。だから初めから一緒の寝室を薦めたじゃない」

「でもいきなり同じベッドは無理だったから」
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