偽装結婚から始まる完璧御曹司の甘すぎる純愛――どうしようもないほど愛してる
 花穂の言葉でしっかり否定して輝を追い返さないと、きっといつまでもこの関係は変わらないのだろう。

 今は幸い伊那がこちらを注意してくれている。もし昔のように暴れられても、すぐに止めに入ってくれるはずだ。

「輝さん、私と私の家族に対してこうやって思い込みで責めるのはこれで最後にしてください。会社の件が実際どうなっているのか知りませんが、きちんと調べたら原因が分るんじゃないでしょうか」

「お前……六条家に嫁いだからって偉そうな口を利くなよ! 調子に乗りやがって」

「それからお前って言い方もやめてください。不快です」

「は? だから生意気だって言ってるんだよ!」

 この柄の悪い態度で、企業の後継ぎが務まるのだろうか。

「脅しは止めてくださいとお願いしました。これ以上理不尽な発言をするなら、本当に争うことになりますよ」

 恐怖に耐えて必死に言葉を尽くしているつもりだが、輝は花穂を下に見ているからか、何を言っても怒らせる一方だった。

「調子に乗るなよ! お前なんて……」

 輝は今にも襲い掛かって来そうな気がするほど花穂を憎々し気に睨む。しかしはっとし
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