偽装結婚から始まる完璧御曹司の甘すぎる純愛――どうしようもないほど愛してる

(もし輝さんに怒って何かするとしても、もっと堂々としたやり方をしそう)

 彼は絶対に姑息な手段は取らない。むしろ輝の方がやりそうだ。

「夫はそんな裏工作はしません」

 堂々と自信を持って言えた。

「なにか誤解されているんじゃ?」

「誤解な訳ないだろ? だったらお前はうちの取引先が減っているのをどう説明するんだ
よ!」

「それは私には分からないけれど」

(輝さんの様子、今日は少し違う感じがする。怒っていると言うより焦っているような…
…)

 響一が手を回したとは思えないが、輝の会社に何かが起きているのは真実なのかもしれ
ない。

 だからと言って花穂が原因を知る訳がないのだけれど。

「これ以上卑怯な真似をしたらどうなるか分かってるんだろうな?」

「だから有馬製造の問題に私たちは関わっていません。それに脅すような言い方しないでください」

 輝から受けた暴行の記憶のせいで、どうしても彼を前にすると身が縮まりそうになる。

 しかしはっきり言わないとどんどん曲解して、事態はどんどん悪くなっていく。
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