偽装結婚から始まる完璧御曹司の甘すぎる純愛――どうしようもないほど愛してる
仕事が終わると急いで帰宅する。
今日は響一が好きなぶりの照り焼きを作る予定だ。
キッチンに立ちながらてきぱきと動く。
(お店でも和食を提供したらいいかも)
つくり追えたところにタイミングよく響一が帰宅した。
最近彼の帰宅は早まっている。
「響一さんお帰りなさい」
「花穂ただいま」
響一はそう言いながら花穂を抱きしめる。
「んっ……」
続いて深いキスをしかけられた。最近の彼は性急だ。待ちきれないように玄関で唇を重ねてくる。
花穂も嬉しいからつい応えてしまうのだけれど、このままではせっかくの料理が冷めてしまいそうだ。
「響一さん、先に食事にしよう。今日はぶり照りを作ったから」
「分かった。すぐに着替えてくる」
響一はそう言いつつも、花穂を離さない。名残惜しそうに頬にキスをする。
(響一さんって結構キス魔だよね)
擽(くすぐ)ったさに目を細めていると、耳元で囁かれる。
「続きは食事の後に。明日は休みだから今夜はゆっくり出来るな」
夫からのベッドの誘いに、花穂はかあっと頬を染める。
彼が着替えに寝室に行くのを見送り、熱の籠った溜息を吐いた。
食後は伊那との計画を聞いて貰うつもりだったけれど、今日は無理かもしれない。
(でも時間は沢山あるからね)
夫との日々はこれからずっと続くのだから。
きっと幸せな日々が待っている。そう確信しながら花穂はキッチンに向かった。
END


