偽装結婚から始まる完璧御曹司の甘すぎる純愛――どうしようもないほど愛してる
同居開始

 新年を迎えた六条家は、絶えない来客で賑わっている。

 広間で親族たちが久し振りの再会に盛り上がる中、花穂は別室で響一の父と初顔合わせを行っていた。

「花穂さん、ようやく会えたね」

 そう言って優雅に微笑む響一の父は、聞いていた年齢よりも若々しく、エネルギーに溢れて見えた。

 響一の話では、離婚後にアメリカに渡りそこで知り合った現地の女性と再婚。現在は妻と共に農場を経営しているのだそうだ。

「はじめまして。お会い出来て嬉しいです」

「こちらこそ。響一が結婚すると聞いて心配だったが、仲良さそうでよかったよ」

「心配ってどういうことですか?」

 上機嫌に語る父に、響一が呆れたような声を出す。

「これまで結婚に全く関心が無かったように見えたから妻になる女性をちゃんと気遣えるのかと思ってね。でもその心配は要らないようだ」

「もちろん心配はいりません。俺たちは上手くやっていますから」

 響一がそう言って花穂を見る。その眼差しは優しく花穂は照れながら頷いた。

 彼が言う通り、婚姻届けを出してから一ヶ月。

 共通の休日の日曜日には必ず行動を共にし、ドライブやショッピングなどを楽しんでいる。ふたりで過ごす時間が増えたことで確実に距離が近くなり、お互いに馴染んできていた。

「花穂さん響一をよろしく頼む。それから落ち着いたらふたりで遊びに来るといい。何もないが良いところだから」

「はい。必ず伺います」

 一時間程談笑すると父は早々に帰ると言ったので、響一とふたりで見送った。

「お父様はお祖父様や親族の皆さんとも久し振りの再会ですよね? 話さなくてよかったんでしょうか」

「ああ。六条の親族とはあまり上手く行ってないんだ」

「え?」

 少し顰めた声の響一の言葉に、花穂は戸惑い首を傾げる。
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