旧財閥家御曹司の愛妻渇望。 〜ご令嬢は、御曹司に甘く口説かれる。〜



「写真、まだ捨てられてないや……」


 一年経ってるからか少しボロボロになってしまったけど、私の大切な写真だ。



「天浬さんに、会いたいな……」


 思わず呟くと、写真が飛んでいってしまって追いかける。
 すると誰かの足元で写真が止まった。その人の足元は、島民ではない上質なスーツで革靴だ。顔を上げるのが怖くて、動きが止まる。


「……探したよ。俺も会いたかった」

「……っ……」

「結鈴、迎えに来た」


 そこには、愛しくてたまらない写真の中の人……天浬さんだった。


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