再縁恋～冷徹御曹司の執愛～

白鳥さんは梨華ちゃんの叔父で、出張も多く仕事が忙しい両親に代わり、時々保育園の送り迎えを手伝っているそうだ。

兄夫婦の隣のマンションに住んでいるらしく、梨華ちゃんもとても懐いている。

入園以来挨拶は幾度となく交わしてきたけれど、踏み込んだ会話をしておらず、年の離れた兄妹かと勝手に推測していた。

よく話すようになったのは、白鳥さんが春香さんの店に友人の結婚祝いを買いに来たのがきっかけだった。

会計の際に名前を呼ばれ、一瞬わからなかったがすぐに気がついた。

垂れ目がちの大きな目と朗らかで明るい口調の白鳥さんは現在二十八歳の独身で、大手玩具メーカーに勤務していると、保育園の友人ママが教えてくれた。


『子どもにも優しくて面倒見もいいし、理想の旦那様候補よね。今は彼女もいないらしいし、どう、武居さん？』


私をシングルマザーと知る友人に冗談交じりに勧められ、苦笑したのはいい思い出だ。


悟己も白鳥さんが大好きで、行事のときなど梨華ちゃんと一緒によく遊んでもらっている。


……もし父親が、惺さんが一緒だったら、悟己はあんな風に笑ったのだろうか。


ほんの少し頭をよぎった後ろ向きな感情を慌てて振り払う。