素直に好きと言えたら*遠回りな恋*

さあ、ここからどうしよう。

今日の私の使命は、斗真と麻里がお付き合いするように仕向けること。

名付けて『仲良くさせよう作戦』って思って勝手に使命にしてるんだけど。

最初から別行動の方がいいよね。

「守谷くん、最初はどこに行く?」

「羽瀬さんの乗りたいものでいいよ」

私と守谷くんがそんな会話をしている所に仏頂面の斗真が来て、

「陽菜、俺も同じのに乗る」

「斗真? 斗真は麻里と乗りたいものに乗っておいでよ」

なるべく別行動しようと仕向けているのに斗真がなかなか離れてくれない。

「もう仕方ないな。陽菜、私と斗真も一緒に行ってもいい? 斗真って言い出したら聞かないから」

麻里は斗真の性格をよく知っている。

麻里からそう言われたら最初は4人で行動するしかないよね。

「うん、もちろんだよ麻里。じゃさ、麻里と私で回るところ決めようよ」

そして麻里と決めた最初のアトラクションはジェットコースター。

意外と私も麻里も絶叫系が好きで、意見が一致したの。

ジェットコースターの列に並んでいる時、

「なあ、誰と座るかジャンケンで決めようぜ」

斗真、どうしてそんな提案をするの?

普通はあなたと麻里が隣に座るんじゃないの?

そんな斗真の提案を聞いた麻里が何故か大爆笑をしていて。

私と守谷くんはポカンだった。

「なんでそうなるんだよ、鈴鹿。おかしいだろ」

そうだよね、守谷くんがおかしいって突っ込むのもわかるよ。

「まあまあ、守谷には悪いけど一度だけジャンケンで決めよう」

麻里も何故か斗真に加担してるし。

守谷くんは渋々ジャンケンに参加して。

私と麻里、斗真と守谷くん。

こんな組み合わせになってしまい、喜んだのは私だけだったみたい。

「きゃあ! 麻里と一緒に乗れるんだ―。嬉しいっ」

そして私とは逆の反応をする斗真と守谷くん。

「「ふざけんなよ! なんでこいつと・・・」」

また2人が被った。

もしかして斗真と守谷くんって仲良しなの?


「鈴鹿、今回だけだぞ。言っとくけど今日は俺と羽瀬さんのデートにお前らが勝手についてきただけなの。4人で仲良く遊びましょうじゃねーんだよ」

そんな守谷くんの文句に対して斗真は完全に無視をしていて、私はハラハラしてしまった。

ラインでどうして私なのか聞いたけど、その時守谷くんは返事をくれなかったのに、これは私とのデートだって言う。

別に好きだと告白された訳じゃないのに、どうしてデートなんて言うんだろう。

デートの定義とは、一体何なんだろう。
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