素直に好きと言えたら*遠回りな恋*
ジェットコースターの順番待ち中も斗真と守谷くんは何か文句を言い合っているから、私と麻里は2人に聞こえないような小声で話をした。

「ね、陽菜。守谷と一緒に来たってことはさ、もしかして守谷と付き合うの?」

やっぱり麻里も疑問に思う所はそこだよね。

「そっ、それはないよ。告白された訳じゃないし。デートだなんって思ってもいなかったし」

「でもさどうして守谷は陽菜を誘ったんだろうね」

それは私も知りたいけど。

そもそも今日は私のことより麻里と斗真がお付き合いできるようにしなきゃだめなの。

「私と守谷くんのことは置いといて、今日は麻里と斗真に楽しんで欲しいって思ってるんだ」

麻里は私の言葉に少し驚いたみたいで。

「陽菜は本当に本気でそう思ってるの? 私と斗真が付き合えばいいって、そう思ってるの?」

「だって。麻里と斗真は両想いでしょ。そんなの入学式の時から分かってたし。私に遠慮してるならさ」

「ちょ、ちょっと待って陽菜。前からずっと言い続けてるけど、私と斗真はマジでそんなんじゃないの。誤解させてたならごめん、だけど」

麻里は斗真のことは恋愛対象じゃないって言うのは何故なの。

「斗真! あんた今日陽菜に話しするって言ってたよね。誤解のないように正確に話しなさいよ」

急に麻里が半ギレで斗真に怒ってる。

昨日斗真から遊園地の帰りに話があるから時間を作って欲しいって言われたことを麻里は言ってるんだよね。

本当にこの2人のこと、分からない。

「っと、ごめんごめん急に怒った。陽菜にじゃないから気にしないで。さ、ジェットコースターの順番が来たよ。乗ろう!」

色々と麻里に聞きたいことができちゃったな。
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