ポンコツ魔女は王子様に呪い(魔法)をかける
本編
プロローグ:魔女という存在
――ある者は言った。
人間と魔女は同じものだと。
――ある者は言った。
人間と魔女は異なるものだと。
魔女と人間を分けるのは体内に流れる“血”。
特別な血の混ざった女性を魔女と呼び、男性を魔法使いと人々は呼んだ。
その血が濃ければ濃いほど強い魔法が使えるというのが通説で、そして魔女の血が混ざった人間は思ったよりも多い。
自身に魔女の血が混ざっていると知らないで暮らす人間も多かった。
かくいう私ことリリアナ・ユングステッドの母も魔女の血を継いでおり、そして必然的に私にもその血が流れていた。
「リリアナ、お前は何故この程度の事が“願えない”んだ?」
「私は純血のテオ師匠とは違うんです!」
また失敗した私を見て、はぁ、と大きなため息を吐くのは輝くような銀髪に琥珀色の瞳の美丈夫であり、そしてこれでも一応魔女のはしくれである私の魔法の師匠、純血の魔法使いテオ・ニコラである。
“きっと私に流れる魔女の血が薄いのが悪いのよ”
魔法とは、『願う力』の強さで発動する。
そして願う力の具現化は、魔女の血の濃さで変化するのだ。
人間と魔女は同じものだと。
――ある者は言った。
人間と魔女は異なるものだと。
魔女と人間を分けるのは体内に流れる“血”。
特別な血の混ざった女性を魔女と呼び、男性を魔法使いと人々は呼んだ。
その血が濃ければ濃いほど強い魔法が使えるというのが通説で、そして魔女の血が混ざった人間は思ったよりも多い。
自身に魔女の血が混ざっていると知らないで暮らす人間も多かった。
かくいう私ことリリアナ・ユングステッドの母も魔女の血を継いでおり、そして必然的に私にもその血が流れていた。
「リリアナ、お前は何故この程度の事が“願えない”んだ?」
「私は純血のテオ師匠とは違うんです!」
また失敗した私を見て、はぁ、と大きなため息を吐くのは輝くような銀髪に琥珀色の瞳の美丈夫であり、そしてこれでも一応魔女のはしくれである私の魔法の師匠、純血の魔法使いテオ・ニコラである。
“きっと私に流れる魔女の血が薄いのが悪いのよ”
魔法とは、『願う力』の強さで発動する。
そして願う力の具現化は、魔女の血の濃さで変化するのだ。
< 1 / 231 >