ポンコツ魔女は王子様に呪い(魔法)をかける
「ここのベッド好きに使って」
「メルヴィは……」
「俺は、執務があるから」
「そっか」
にこりと微笑んだメルヴィの笑顔が痛々しくて、つい俯いてしまう。
“執務なんて絶対嘘よね”
私が口付けをした後、一瞬唖然としたメルヴィはきゅっと口を閉じ何も言わなかった。
何か反応して貰える、少なくとも何かは言って貰えると思っていた私は、何も言われなかったことに気持ちを沈ませて。
「何が正解だったの」
無茶な体勢での初体験になってしまったからか、下半身に力が入らなかった私の体をメルヴィが拭き服を着せる。
部屋まで送ろという提案を断りこの小部屋のベッドを希望すると、私の体を気遣ってくれているらしい彼はキレイに整えてから寝かせてくれて。
そしてそのまま執務を理由に出て行ってしまった。
“一緒にいたいって意味だったのに”
後を追いたくても、力の入らない下半身では追いつかない。
素直に側にいてと口に出せばよかったのかもしれないが、あんなに悲しそうな顔をされてしまい伝えるのを躊躇ってしまったのだ。
「信じるわけにはいかない、なんて言っちゃったからかな」
「メルヴィは……」
「俺は、執務があるから」
「そっか」
にこりと微笑んだメルヴィの笑顔が痛々しくて、つい俯いてしまう。
“執務なんて絶対嘘よね”
私が口付けをした後、一瞬唖然としたメルヴィはきゅっと口を閉じ何も言わなかった。
何か反応して貰える、少なくとも何かは言って貰えると思っていた私は、何も言われなかったことに気持ちを沈ませて。
「何が正解だったの」
無茶な体勢での初体験になってしまったからか、下半身に力が入らなかった私の体をメルヴィが拭き服を着せる。
部屋まで送ろという提案を断りこの小部屋のベッドを希望すると、私の体を気遣ってくれているらしい彼はキレイに整えてから寝かせてくれて。
そしてそのまま執務を理由に出て行ってしまった。
“一緒にいたいって意味だったのに”
後を追いたくても、力の入らない下半身では追いつかない。
素直に側にいてと口に出せばよかったのかもしれないが、あんなに悲しそうな顔をされてしまい伝えるのを躊躇ってしまったのだ。
「信じるわけにはいかない、なんて言っちゃったからかな」