ポンコツ魔女は王子様に呪い(魔法)をかける
 気になる、知りたい。
 だから思い出したい――!

 
「思い出したらまず彼に教えてあげなくちゃ。今も私だけは、期待してないからねって」

 抱きしめた枕をメルヴィに見立て、見つめながら思ったことを伝えるリハーサルをする。
 だって思い出したなら、彼に告白を……
 
“?”

 そこまで考えポイッと枕を投げ捨てた。
 きっとこれも魔女の性。

 気になることができたから枕に興味がなくなったのだ。

 そしてもちろん私の気になることはメルヴィのことばかり……の、はずなのだが。
 

「期待してないって、何?」
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