ポンコツ魔女は王子様に呪い(魔法)をかける
 唇で食むように挟まれ舌の先端で扱くように何度も弾かれると、望んでいたその刺激に思わず背中を反らしてしまった。

「あ、あぁん」
「すごい、まだちゃんと触ってなかったのにリリのここもうこんなにコリコリになってるよ」

 ピンッと弾かれた乳首はすぐに彼の口内に吸い込まれ、ちゅぱりと卑猥な音を漏らす。
 弄ぶように舐められている反対の胸はゆっくりと揉まれ、彼の指が胸に埋まる。

 感触を楽しむように揉みしだかれていると、唐突に彼の指の腹が先端を掠めびくりと体が跳ねた。
 そのまま何度も擦るように乳首に触れられる。

 彼の少しかさついたその指の腹が先端を擦り、熱い舌が這わされて。
 違う刺激を同時に与えられた私はただ喘ぐしかできなかった。

「嬉しい」

 まるでひとり言のように小さく聞こえた彼の声。

“浴室では謝罪ばかりだったのに”

 そんな彼の言葉が嬉しくて胸の奥に温かいものが広がった。
 きっとこれが『愛おしい』という感情なのだろう。


 そっと彼の髪の毛を撫でる。
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