ポンコツ魔女は王子様に呪い(魔法)をかける
“結局この間は街を見て回らなかったし”
最初に行った石鹸のお店を出てすぐとんぼ返りしたことを思い出しながらじわりと頬が熱くなるのを感じた。
少し冷静になれるまで、出来ればその事を考えず何か夢中になることをしたくてエッダを誘ったのだが、エッダはゆっくり顔を左右に振って。
「この後すぐに」
エッダが口を開いたタイミングで私室の扉がノックされる。
「リリ、朝食は終わった?」
「メルヴィ!?」
扉の向こうからメルヴィの声が聞こえてドキリとした。
“ま、まだ全然冷静になれてないのに!”
気恥ずかしさが圧倒的に勝っていて出来れば顔を合わせたくはない……が、王太子の訪問を無視することも出来なくて。
「ど、どうぞ」
「おはよう、リリ」
中へ促すとメルヴィがにこやかに入ってきた。
そのまま朝食を食べる私の前に自然と座ると、すかさずエッダが彼の前にも飲み物を置く。
カップが二客あったのはあったのは、どうやら彼の訪問を事前に知っていたのだろう。
“言いかけてたのもこの事ね”
優雅にカップを口元へ持っていくメルヴィをこっそりと盗み見る。
最初に行った石鹸のお店を出てすぐとんぼ返りしたことを思い出しながらじわりと頬が熱くなるのを感じた。
少し冷静になれるまで、出来ればその事を考えず何か夢中になることをしたくてエッダを誘ったのだが、エッダはゆっくり顔を左右に振って。
「この後すぐに」
エッダが口を開いたタイミングで私室の扉がノックされる。
「リリ、朝食は終わった?」
「メルヴィ!?」
扉の向こうからメルヴィの声が聞こえてドキリとした。
“ま、まだ全然冷静になれてないのに!”
気恥ずかしさが圧倒的に勝っていて出来れば顔を合わせたくはない……が、王太子の訪問を無視することも出来なくて。
「ど、どうぞ」
「おはよう、リリ」
中へ促すとメルヴィがにこやかに入ってきた。
そのまま朝食を食べる私の前に自然と座ると、すかさずエッダが彼の前にも飲み物を置く。
カップが二客あったのはあったのは、どうやら彼の訪問を事前に知っていたのだろう。
“言いかけてたのもこの事ね”
優雅にカップを口元へ持っていくメルヴィをこっそりと盗み見る。