【コンテスト作品】初めての恋の相手はファーストキスを奪った御曹司でした。
◎繋がりあった想いの先に。
【繋がりあった想いは永遠に〜久遠目線〜】



 これは夢……なんだろうか?

 今俺は、幻聴を聞いたのか……?

 いや、今俺は、この耳で確かに聞いたような気がする。

 【好きです】と。

「え……?」

「あ、いや、そのっ……」
 
 この反応は……やっぱりそうなのか?

 そうなんだ……よな? 間違ってないよな、俺は?
 俺は確かに、奏音の口から「好きです」と聞いた。

「奏音、好き……なのか、俺が?」

 この恥ずかしそうに顔を赤らめている奏音の反応を見ると、やはりそうなのだと思う。

「……好き、です」

「奏音……」

 これは夢なんかではなかった。 確かに、これは現実だ。

「奏音……ありがとう」

「いえ……。その、お礼を言うのは、私の方です」

 真っ直ぐな瞳で俺を見つめる奏音のその瞳に、吸い込まれてしまいそうになる俺。

「ありがとう、ございます。 私を好きだって、言ってくれて……」

 ああ……奏音はどうしてこんなにかわいいのだろうか。 
 頬を赤らめて恥ずかしそうにする奏音が、とてつもなくかわいくて、俺は思わず奏音を抱き寄せる。

「久遠、さん……?」

「よかった。これで俺、ようやく奏音の初恋、奪えたんだな」

 こんなに嬉しいこと、ない。
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