【コンテスト作品】初めての恋の相手はファーストキスを奪った御曹司でした。
「久遠、さん……」
久遠さんの温もりが心地よくて、気が付いたら私は、久遠さんのコートに顔を埋めていた。
「甘えてるのか?かわいいな」
「久遠さん……大好きです」
こんなにも誰かを好きになったことはなくて、初めてこんなに誰かを好きになることの嬉しさを知った。
それは幸せで、ドキドキして、あったかくて、心地よくて……。
「私……今とても幸せです」
久遠さんはそんな私の頬に手を乗せて、「俺もだよ」と呟いた後、唇に優しいキスを落とした。
「愛してる、奏音」
「……はい」
愛してるって言葉は本当に不思議だ。 愛してるって言われただけで、心が安らぐ気がして。
なのに本当に幸せな気持ちになるから、本当に不思議だ。魔法の言葉にも思う。
「奏音に、伝えたいことがあるんだ」
「はい……?」
伝えたいこととは、なんだろうか。
「本当は、ディナーの後で言おうと思ってたんだけど、やっぱり今言うことにした」
「はい」
私は久遠さんをじっと見つめてしまう。
「奏音、俺と結婚してくれないか」
「……え?」
結婚……? 私が、久遠さんと……?
「奏音のこと、一生大切にする。 奏音のことは、俺がずっと守るし、必ず幸せにする」