偽物の天才魔女は優しくて意地悪な本物の天才魔法使いに翻弄される

暗闇の中で(※)



「やっ……」

ハヤトにいきなり何度もキスをされる。戦いの後の興奮状態だからか、彼の部屋でされたゆっくりと味わうようなものではなく、荒々しく激しい。片手で両手を、片手で顎をしっかり掴まれているため身動きも取れず、オリビアはギュッと目をつぶり時間が過ぎるのを待った。

「ん……はぁっ…」

息継ぎの度に漏れる吐息が、白く濁っている。外気が冷え切っているのにも関わらず、ハヤトはオリビアの制服のボタンに手をかけた。オリビアは顔を動かしてなんとかキスから逃れると、怒りをにじませて叫んだ。

「ねぇ、嘘でしょう!?何考えてるの!?ここ、外よ!!」

「あ、ごめん、寒いよね。ちょっと待ってね」

ハヤトが杖を降ると、途端に周囲の空気が暖かくなる。その周りにバリアを貼り、ビニールハウスのようにベンチごと2人を包む空間を作った。
オリビアがまたしても見た事の無い魔法に目を奪われている間に、ぷちぷちと小気味よくボタンが外されていく。

「ほら、これで暖かくなった。ここだけ春みたいだろう?だから安心してね」

「え?…え、違う!そういう事じゃなくて、人が来たらどうするの!」

「2人っきりがいいの?僕の部屋行く?」

「違うったら…お願い、帰らせて……」

だんだんと声がすぼんでいく。

「泣かないで。ますます興奮する」

ハヤトは目に涙を浮かばせたオリビアの頬を撫でて、親指でそっと拭った。

──どうしよう……今度こそ逃げられる気がしない。

何を言っても分かって貰えず、オリビアがこれ以上の抗議を諦めると、胸元からするりと彼の手が入りこんできた。
冷たい指が肌に触れた瞬間、びくりと体を震わせてしまう。その大きな手は丸い膨らみを下からすくい上げると、ゆっくりと揉み始めた。

「う……」

「ふふ…緊張してるね。大丈夫、この中は外から見えないようにしてるから」

先程から的外れな配慮ばかりするハヤトを潤んだ瞳でキッと睨むと、彼はニヤリと笑った。

「怒ってる所悪いけど、さっきの先制攻撃の仕返しをするね」

ハヤトはそう言うと、胸の中央の突起をカリッと引っかいた。途端に甘い刺激が走る。オリビアの体がこわばったのを見て、今度は摘み、優しく捻っていく。

「あっ…!」

「寒いのに水を浴びせるなんて、オリビアもなかなか意地悪だよね。僕といい勝負してるよ」

喋りながら、乳首をつねったり弾いたり、押し潰すように転がされる。その度に体が反応してしまう。今度は杖も遠くに落としてしまっため、彼を遠ざける事が出来ない。

「んっ……あぁっ……!」

「可愛い……あ、そうだ」

ハヤトは突然思い出したように手をポケットに入れた。「これやってみたかったんだよね」と言って取り出したのは、彼の制服にいつもついているネクタイだった。

「な、なに…」

彼は一度オリビアの体にそれを置き、杖を振った。ネクタイが顔に向かって飛んできたと思った直後、オリビアの視界は真っ暗になった。

「やだ!何したの!?」

「目隠し。僕の事しか考えられなくしたくて」

月明かりや外灯のわずかな光さえも遮断され、オリビアの目の前には暗闇が広がっていた。

「取ってよ、怖い!もういやだってば…!あっ、ん」

また触られたのか、突然強い刺激が走る。

「見えない状態で刺激されると、見える時より感じちゃうんだって。どう?」

顔を横にされ、耳を甘噛みされる。そのまま首筋へ流れるように唇を移動させながら、手は体中を這い回る。

「ひゃ…」

「ほらね……可愛い声だな……」

オリビアは、参った。どこから刺激が来るのか分からない。ハヤトは、オリビアが分からないようにわざと色んなところをランダムで刺激してくる。しかも彼の言う通り、先程より敏感になってしまっている気がした。何も見えないせいで、よそへ気を逸らす事が出来ない。少しずつ息が上がり、頭がぼうっとしてきた。

ハヤトに触れられている部分が熱い。冷たかったはずの彼の手も、こちらの体温と溶け合い温かくなっていた。このままだとおかしくなりそうで、恐ろしくなる。

「はあ……っ」

押さえつけられていた腕が解放されたと思うと、彼は胸に顔を埋めた。先端を舌先でつつかれ、吸われる。もう片方も、親指でいじられ続けている。その卑猥な音だけが耳に響き渡り、顔がさらに熱くなる。自由になった手で引き剥がしたいが、力が抜けていく。

「あっ……!やだ…お願い、ハヤトぉ……」

「ん?気に入った?もっとして欲しいの?ここはどうだろう」

ハヤトは、オリビアの太腿の内側に触れた。


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