偽物の天才魔女は優しくて意地悪な本物の天才魔法使いに翻弄される

視界に入ってしまう天才



先生が現れ、いよいよ授業が始まった。魔法学クラスの先生がマリア先生で無くてオリビアは残念がったが、もうそれどころではない。これからは目の前に座るハヤトに勝たなければいけないのだが…。

(む……難しい!!)

オリビアはいきなり壁にぶつかった。

魔法学コースも人数が多いため、いくつかにクラスが分かれているが、オリビアのクラスの担任教師は魔力が弱く、教科書を読み上げるだけで細かい部分の説明が少ない。マリア先生のような魔法の素質を持つ教師はまだ少なかった。

オリビアは事前に2年生の教科書を読み込んでおり、とりあえず丸暗記していたことでなんとか授業についていけた。

「では、次の問題を……ヤーノルドさん、分かりますか?応用問題ですよ」

当てられたハヤトが立ち上がる。オリビアは、応用というものが苦手だ。

「はい。水魔法の応用範囲である、氷魔法の性質変化と形状維持のメカニズムに関するものです」

「おぉ!正解です」

先生が感嘆の声を上げる。生徒たちからも拍手が起こった。

(うぅ…いきなりハヤトが注目を浴びているわ。悔しい………ん?)

ハヤトが振り返った。オリビアの方を見ている。オリビアが鬼の形相でハヤトを睨みつけていることに気付くと、あの日のようにニヤリと笑い、何か口パクで話しかけてきた。───”僕には敵わないよ”と、言っているのが分かった。オリビアが目を見開く。

(────!!!またっ、馬鹿にされたっ!!)

ハヤトはオリビアが同じ教室にいることに気付いていたようだった。オリビアはワナワナと震え、怒りを抑え込むのに必死だった。



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