教会を追放された元聖女の私、果実飴を作っていたのに、なぜかイケメン騎士様が溺愛してきます!
王都の程近くにある、スミス伯爵領地内にある孤児院、エレノアはそこで育った。
物心ついた時には、シスターが側にいてくれて、十数人ほどいた孤児たちをシスターが一人で見ていた。
シスターの名前は、リリアン・スミス。スミス伯爵家の一人娘で、元聖女だった。
教会を辞めたリリアンは、父の了承を得て、領地内で孤児院を開き、身寄りのない子供たちを引き取って育てていた。
リリアンは若くして聖女の力を発揮していたが、ある日突然辞めて自領に帰って来たそうだ。下位の聖女は奴隷も同然のように扱われるため、教会から追放されるまでは辞めることも叶わないが、上位の聖女はそれに当てはまらない。
その地位にいながら、何故辞めて孤児院を開いたのか、エレノアには未だにわからないが、シスターにはとても感謝している。
スミス伯爵家は裕福、とはいかないまでも、飢えることもなく、何より愛情をたっぷりと注いでくれたリリアンはエレノアにとっては母以上の存在だった。と言っても、本当の母親は知らないが。
リリアンは、エレノアが幼い頃から、聖女としての素質を見抜いていた。そして、いつかは教会に見つかり連れて行かれることも覚悟していた。
エレノアにマナーを叩き込んでくれたのはそういった理由からだった。他の令嬢たちに舐められないように、下位に落とされて教会に縛られないように。
結局は、孤児というだけで下位の聖女として扱われ、シスターに教わったマナーも日の目を見ることは無かったのだが。
エレノアは聖女として教会に連れて行かれることが決まった時、喜んだのを覚えている。
聖女として勤めれば、孤児院に仕送りが送られることが約束されていた。
お腹いっぱい食べられて、温かい毛布を買い替えられる、慎ましく暮らしていた孤児院に、自分が恩返しが出来ると思うと、嬉しくて仕方なかった。
そして、教会で自分が聖水を作る力があるとわかると、その聖水がシスターたちの元へも届くと信じて疑わなかった。
しかしその聖水は薄められ出回っているとオーガストから聞いた。シスターに本物が届くことは無かったのだろう。
そうして、シスターは流行り風邪で命を落とした。
物心ついた時には、シスターが側にいてくれて、十数人ほどいた孤児たちをシスターが一人で見ていた。
シスターの名前は、リリアン・スミス。スミス伯爵家の一人娘で、元聖女だった。
教会を辞めたリリアンは、父の了承を得て、領地内で孤児院を開き、身寄りのない子供たちを引き取って育てていた。
リリアンは若くして聖女の力を発揮していたが、ある日突然辞めて自領に帰って来たそうだ。下位の聖女は奴隷も同然のように扱われるため、教会から追放されるまでは辞めることも叶わないが、上位の聖女はそれに当てはまらない。
その地位にいながら、何故辞めて孤児院を開いたのか、エレノアには未だにわからないが、シスターにはとても感謝している。
スミス伯爵家は裕福、とはいかないまでも、飢えることもなく、何より愛情をたっぷりと注いでくれたリリアンはエレノアにとっては母以上の存在だった。と言っても、本当の母親は知らないが。
リリアンは、エレノアが幼い頃から、聖女としての素質を見抜いていた。そして、いつかは教会に見つかり連れて行かれることも覚悟していた。
エレノアにマナーを叩き込んでくれたのはそういった理由からだった。他の令嬢たちに舐められないように、下位に落とされて教会に縛られないように。
結局は、孤児というだけで下位の聖女として扱われ、シスターに教わったマナーも日の目を見ることは無かったのだが。
エレノアは聖女として教会に連れて行かれることが決まった時、喜んだのを覚えている。
聖女として勤めれば、孤児院に仕送りが送られることが約束されていた。
お腹いっぱい食べられて、温かい毛布を買い替えられる、慎ましく暮らしていた孤児院に、自分が恩返しが出来ると思うと、嬉しくて仕方なかった。
そして、教会で自分が聖水を作る力があるとわかると、その聖水がシスターたちの元へも届くと信じて疑わなかった。
しかしその聖水は薄められ出回っているとオーガストから聞いた。シスターに本物が届くことは無かったのだろう。
そうして、シスターは流行り風邪で命を落とした。