教会を追放された元聖女の私、果実飴を作っていたのに、なぜかイケメン騎士様が溺愛してきます!

34.報せ

 イザークが魔物討伐へ出て、一週間が経った。

 魔物討伐は順調に進んでいるらしい、とジョージから聞いた。

 エレノアは結局、屋敷に閉じ込められることもなく、果実飴の仕込みとカーメレン公爵家を往復する日々だった。休みの日に差し入れする相手もいなく、暇を持て余していた。

 自室でゴロゴロしていても、イザークの心配で焦燥感に駆られる。エマに連れ出されて街に出ても、考えるのはイザークのことばかり。頭はイザークでいっぱいだった。

「義姉上!!」

 その日のお昼過ぎ、エマとお茶をしていると、オーガストが離れまで慌てた様子で訪ねて来た。

「何か、あったんですか……?」

 オーガストのただならない空気に、エレノアは不安で胸が押し潰されそうになる。

「兄上が魔物にやられて負傷しました」
「……!!」

 嫌な予感が当たり、エレノアは口元を両手で押さえる。

「今、騎士団の病棟に運ばれているそうです。一緒に行きますか……?」
「もちろんです!!」

 オーガストの問にエレノアは即決した。

(ザーク様……! 無事、なんだよね……?)

 どくどくと心臓が煩い。

 どうか無事で、と願うエレノアは、オーガストとエマと護衛と共に馬車に乗り込み、騎士団へと急いだ。
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