私は誰にも恋しない
「ごまかしても無駄。お前が逃げてくの見てたんだからな」

「…せっ先生があんな所でキスしてるのがいけないんじゃないですか」

私は先生の方を向き言う。

そんな私を見て先生は笑った。

「お前、意外と素直だな。俺がお前を見たって言うのは嘘だよ」

「なっ…じゃあ!何でわかったんですか!私があそこにいるの!!」

「お前、まだ気づかねーの?自分が大事な落とし物してることに」

そう言って先生が私の生徒手帳をひらひらと私の前で振る。

私が驚き、先生から生徒手帳を取ろうとした時
先生が逆に私の手を掴む。

「…ありがとうは?」

私の耳元で先生が囁く。

私は顔を赤らめる。

私は先生の体を押し、床に落ちた手帳を取り保健室から勢いよく出る。
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