ドロ甘な愛を稀血に溶かして
「美織ちゃんとの婚約、破談にする気はないからね」
こんなにドロドロで甘い声、夢以外でこぼしたのはいつぶりだろう。
予想外だったのか?
美織ちゃんの表情筋は、石みたいにガチゴチに固まってしまい。
心をほぐしてあげたいな。
今度は別の欲望がニョキニョキ。
机に片手を突いたままの俺は、美織ちゃんを覗き込みニコッ。
王子様風のおっとり笑顔を浮かべる。
「遊園地、親友の陽花里さんとは回らないんでしょ?」
「あっ……うん」
「じゃあ、俺と過ごしてね」
「えっ、でも……。いいっ…いいの? 私なんかと一緒で……」
それは……