ドロ甘な愛を稀血に溶かして
俺がまだ、婚約破棄を認めていなくて
クラスメイトの前で、俺たちが婚約していることを暴露されて
大好きな彼に勘違いされた。
本当は環くんなんて、好きじゃないのに……
って、美織ちゃんは心の中で泣いているんだと思う。
あ~あ~。
俺は完全に嫌われちゃったよね。
まぁ、自業自得なんだけど。
醜い嫉妬に、平常心を乗っ取られ。
婚約誓約書を突きつけ、クラスメイトに婚約暴露。
とんでもない暴走を、俺はしでかしちゃったわけだし。
大好きな子に嫌われているのは悲しすぎるから、俺への好感度を少しでも上げておきたいな。
ちょっとだけ、悪あがきをさせてよ。
俺のこと、もう一度好きになって欲しいんだ。
小学校低学年の、あの頃みたいに。
椅子に座る美織ちゃんの前に立ち、机に手を突き、体をかがめる俺。
美織ちゃんの耳にキスできそうなくらい至近距離に唇を寄せ、彼女だけに聞こえる甘声を奏でる。