身長差25㌢の、私と彼。

眠っていたはずの結城くんが、私の行動を読んでいたかのように、うっすら目を開けて私が覗き込んでる座席の隙間を見つめていた。


もちろんバッチリ目が合ってしまったワケで。


「なに?覗き見禁止ー」


なんて言って、結城くんがニヤニヤしながら揶揄うように言ってきた。


「なっ!」


心を読まれたような気がして恥ずかしくなって、思わずバッ!と顔を逸し、結城くんから目線を剥がした。


座ったまま、見下ろすようにして私に目線を向けてきた結城くん。


けど、座っているおかげで目線の高さが同じくらいだからなのか、怖くない。

むしろ…なんか、かっこいい?


ドンッ


今度は突然、座席が揺れた。


慌てて私が座面から頭を出して後ろを覗くと

「あ、わり。足長いもんで、当たったわ。」

なんて言いながら、結城くんがこちらを見上げていた。


ニヤニヤしながら笑ってるあたり…ワザと、ですか?

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