身長差25㌢の、私と彼。

「それにしても、そんなに身長低いの嫌なのなんで?加野屋さん、何センチだっけ?ちなみに俺は178センチ。」

「う…153センチです…。」


「そっか。まぁ確かに平均より低いけど、なんでそんなに嫌なん?」


「だって…モデルさんが着てるような服を着ても、ちんちくりんになるし、だからって頑張ってヒール高い靴履いたら足痛くなるし…」


「別に頑張らんでいいやん。加野屋さんには加野屋さんの良さがあるんやけん、それを活かせばいいと思うけど。」


「私の良さって?」


「あるやん。加野屋さんのいいとこ。」


「そうかなー?身長低いと困ることばっかなんやけど…。服もそうやけど、高いとこにある荷物取れないし、人混みの中では埋もれるし。」


「まぁ不便さはあるとして…」


そこまで言った結城くんは、目線を逸してからボソッと呟くように言った。


「…可愛いやん。加野屋さん。」


「へっ!?」


可愛いという言葉に反応して、顔がボッ!と熱くなる。


「えぇっとぉ…」



「……」



「……」



なんと返していいのか分からず、なんとなく私も結城くんの顔を見れずに目を逸してしまう。

< 12 / 34 >

この作品をシェア

pagetop