身長差25㌢の、私と彼。

「それにしてもいいなぁ、読モやってるお姉さんいるなんて。綺麗やろうねー。」


「まぁ確かに、綺麗やし、モテるけど…」


「けど?」


「…気が強い。俺すぐパシリさせられる。」


「そうなん!?仲いいんやねー。」


「…今の文脈から、なんでそう思った??」


「だって、パシリって言っても、お姉さんにお願いされたら聞いてあげてるってことでしょ?仲いいやん!」


「そーか?いいように扱われてるだけやけどな。昨日なんか、ソファ座ってテレビ見てる時に『スキありっ』とか言って頭ぐりぐりしてきたし。立ってたら俺の頭なんか届かないからって、座ってたらすぐ頭触ってくるから腹立つんよなー。」


「あははっ!なにそれ、楽しそー!羨ましいー」


「いや、笑いごとじゃねーって。ペット扱うみたいに撫でてくるから、俺は犬じゃねえって言ったら、こんな大型犬いらんって言われて、毎回そんな感じで、すぐに口喧嘩はじまるし。」


「でも、喧嘩するほど仲がいいとか言うやん?」


「そーか?喧嘩なんかしたくないけどなー。あんな気ぃ強いのに、モテるからまじでナゾ。」


はあ、と溜息をつく結城くん。

彼の向こう側にある車窓の外は景色が飛ぶように過ぎて行ってる。

太陽の光が窓から差し込んできて、祐希くんの長い脚を照らし出してる。


今日はとても天気がいい。

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