身長差25㌢の、私と彼。
「きっと、周りの人には、そんなところが魅力的に映るんよ。兄弟だから分からないだけやない?」
クスクス笑いながら私がそう言うと、結城くんは「そーか?俺は穏やかな性格の子の方がいいと思うけどな…。」と呟いた。
「へぇ、そうなん?穏やかな子、ねぇ…。」
「そ。ニコニコしながら、そうなんだねって話聞いてくれるタイプがいい。」
「そっかぁ。じゃあ葵はちょっと違うタイプかなぁ?」
私がうーんと言いながら考え込んでいると、結城くんが「葵は、まずナシだろ。」とサクッと否定した。
「え、そうなん?仲いいからアリなのかと思っとった。まぁ葵はさばさしてるしモテるけど、穏やかというよりは元気なタイプやもんねー。」
「だな。俺のタイプではないな。あいつは間違いなくずっと友達にしか見れない。実際、葵もそう思っとるらしいし。」
「そっかぁ。結城くん好みの穏やかな子、学校におるん?」
「おるよ。」
「そうなん?同じクラス?」
「いや、違うクラス。」
「そっか。結城くん、その人のこと好きなん?」
「うん。」
「へぇ…。」
いるんだ、結城くん。好きな人。
…誰?
気になったけど、聞けるワケない。
だって、まともに話したの、今日が初めてだし。
あんまり馴れ馴れしく踏み込むのはよくないよね。
そう思うと、そこからなんとなく話が続けにくくなった。