その恋は甘くて危険


『父さん、これは……』


『あぁ、龍島組からの手紙で間違いあるまい。この龍のシールが貼られているのは恐らく意図的。そう考えると、この手紙は罠ということになるが、どうせお前は止めても行くのだろう?』


『うん、罠だったとしても行かなくちゃならない。もし、行かなかった場合がどうなるか分からないから。大丈夫だよ、父さん。そう簡単にやられないから』


『あぁ、気をつけろよ、輝悠。決して油断はするな』


『うん、分かってるよ』


そんな会話を交わしたのは昨日のこと。


父さんの言付けは守るつもりでいた。


でも、結局俺は油断していたのかもしれない。

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