コーヒーにはお砂糖をひとつ、紅茶にはミルク —別れた夫とお仕事です—
「—!?ち、ちょっと!」
何が起きたか理解すると同時に、水惟が蒼士の方を見ると

—バチッ

と、唖然としたような表情の蒼士と目が合って思わず急いで目を逸らした。

———プッ
「水惟と深山さんて本当に別れてんの?さっきからお互いすっげー気にし合ってんじゃん。」
啓介が笑いながら言った。

(………)
「…仕事中にふざけた写真撮ってるからイライラしてるだけだよ…」

「深山さんが?」
水惟は頷いた。

「ふーん…じゃあ水惟は?」
「え?」

「水惟はどういう気持ちで深山さんのこと気にしてんの?」
「どうって、べつに…」

「なーんか、“べつに”って感じじゃないけどなぁ?」
「…アッシーは、私たちのこと知らないから…」

——— 水惟のことはもう好きじゃない

「…私だって、もう好きじゃない…」

「ふーん」
啓介は何か言いたげに話を終えた。
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