腹黒執事は、悪役なお嬢様への愛が強め
色々な意味で最悪。
起きて早々とりあえず、いかにして勉強から逃げるか頭をフル回転させる。
勉強のときにフル回転させたらいいじゃないかって? それができりゃ苦労しないわよ。
「とはいえ、先に朝食ですね。部屋までお持ちしましょうか?」
「いいえ、今日は食堂まで行くわ。せっかく早起きさせられたことだし」
「かしこまりました」
私の皮肉を華麗にスルーして、鷹司は優雅に微笑む。
美しく優秀なこの執事サマは、いったいどんなおしゃれな朝食を準備するつもりだろう。
予想では、何かよくわかんない果物を大量に使ったスムージーとフレンチトーストか何かね。
なんて思っていたら意外や意外。
「味噌汁とおにぎり……」
食堂へ行けば、外国メーカーの高級家具で統一された食堂に似つかわしくない質素なメニューが私の前に用意されていた。