ほどほどに愛しなさい
その“何か”を覗き込むように見ていたら、激しく唇を奪われた。

ズルズルと、二人してソファから滑り落ちてしまったが、普段とても温厚な彼は、一旦スイッチが入ると、もう止められなくなることを、結婚して初めて知った。

「今でも…三井さんが…ぴーちゃんのことが、どうしようもなく好きだよ…」

甘く切ない囁きに、

「私だって、及川…ちーちゃんさえ居てくれたら、他に何も望まない…」

私たちは、熱く甘い夜に溺れていった。
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