三つ子の兄2人は私を溺愛する暴走族の総長でした。

始まりの日

「___るな、おじょうさま____月夜お嬢様!」


もう朝か、起きなきゃ麗に怒られちゃうよな。


「お嬢様!朝ですよ!いい加減起きてください!」


「…麗、おはよう…」


麗とは私の専属のメイドだ。


小さい頃から私についているので家族より麗といる時間の方が断然長い。


「やっと起きてくださいましたか、朝食の準備は出来ているので早く食堂にきてくださいね?」


「…無理かも、麗連れってて…」


「無理ですよ、早く来てくださいね」


「分かった…」


「先に朝食の準備をしに行くので失礼します」


麗、私を置いて先に出ていっちゃった…。


連れっててくれる約束じゃん!(寝ぼけてます)


ドアが開く音がした。


え、別の人が入ってきた?!


急いで重たいまぶたをこじ開ける。


「おはよー月夜」


しょ、翔?


本名は翔太だが家族の間では颯太=颯 翔太=翔


という呼び方で兄を呼んでいる。


「びっくりした、知らない人が入ってきたのかと思った」


「知らない人じゃなくて良かったな、
 食堂、一緒に行こうぜ?」


「いいよー!」
 

さっきまであんなに眠かったのに翔のおかげで体が目覚めた!


「そーいえば月夜、今日から学校じゃね?」


はっ、そーいえば!


「今日から高校生だねー!」


憧れの高校生デビューだ!ついに私も「JK」だ!


「中等部から高等部に上がるだけでそんな変わらないだろ」


うっ、確かにそれには否めない


「おはよう、月夜」


え、翔と同じ声、
あ、そーいうことか


「颯!おはよう!」


「今日は翔が起こしてくれたの?」


「ううん、翔がうちの部屋に入って一緒に行こうって言ってくれたの!」


「は?」


私なんか変なこといった?(焦)


颯が急に翔に殴りかかった。


それをひらりと翔がかわす。


「急に殴りかかってくるなんて物騒な兄貴だなー」


これに関しては共感。いきなり殴りかかるなんて翔が避けられなかったらどーすんのよ!
(殴り合いなんて日常茶飯事だけど…)


「お前、月夜の部屋に入ったのか!?」


「そりゃあ、入ったけど?」


「女子の部屋にのこのこ入りやがって」


女子の部屋…?


「別に良くね?一応、妹の部屋だし」


あー、うちの部屋のことを言っているのね。
でも兄妹だからへーきだよ!


「まぁ、お前が馬鹿だとこっちは瑠璃が弱いんで助かるんだがな」


「ご心配なく!瑠璃には凛と伊織がいるんでね!」


「でも翡翠には勝てるとは思えないが」


「は?瑠璃をなめんなよ?」


「ナメてるのはそっちじゃないか?」


「はいはい、喧嘩はそこまで!目の前にご飯があるんだからひとまず食べよ?」

冷たくなったご飯は美味しくないもんね!


「悪かったな月夜」


分かってくれたならよろしい。


「「「いただきます」」」


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