辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~
「教育はきちんとしておけ。伯爵家の娘として、恥ずかしくないだけの教育をな」

 生まれたばかりなのに、父はエルレインには見向きもしなかった。母と思われる人は 、エルレインの知る限り、周囲にはいない。

 また、場面が切り替わる。

(……寂しい、寂しい……)

 一人部屋でエルレインは、毛布を口に当てて小さく丸くなった。毛布の温かさに包まれていれば、少しだけ安(あん)堵(ど)できる。

「お嬢様、こんなところで丸くならないでくださいな」
「ほら、家庭教師の先生がお見えになりましたよ」

 先生は嫌い。だって、嫌なことばかり言うから。

 エルレインのことを馬鹿にした目で見て、「こんなこともできないなんて」と笑うのだ。

 三歳の子供に何ができるというのだ?

 嫌だ、先生には会いたくない。

 心の中でそう思った時――周囲が動いた。

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