love or die~死亡フラグ回避は恋愛ありえない幼なじみと×××せよ!~
「最初にないって言ったのは、甲斐だよ」
 私は弱弱しく抵抗してみる。

「そうだったな」
 と甲斐は低く言った。
 身体を離してくれた甲斐は言う。

 これで美玖は先輩とデートしても死なないはずだ、と。
 私は半信半疑だ。
 だといいけど、と言う。

 そして一緒に家へ帰った。

 翌日大和先輩からデートの誘いを受ける。

 デート前日、甲斐は前回同様私を誘いに来て、一緒に帰った。
 前と同じ会話はしない。
 明日だな、とだけ甲斐は言った。

 けれど、当日先輩からは「急用ができた、また予定あわせよう」と連絡が来る。
 未来が変わってしまったことに驚いた。

 甲斐にそう伝えたら、「じゃあ、遊び行く?」と言われて、急遽先輩と約束していた遊園地に行くことになる。

 甲斐と遊園地に行くのなんて小学生ぶりだ。

 当時の甲斐は私の兄や弟とふざけて走り回っていた覚えがある。
 追いかけるのが面倒になった私が、一人で何か乗り物に乗ろうとすると、甲斐だけが戻ってくるのだ。

「美玖、一緒に乗ろ」
 と言って。
 兄弟で遊んでいて時々置き去りになる私を迎えに来るのは、いつも甲斐だった。
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