love or die~死亡フラグ回避は恋愛ありえない幼なじみと×××せよ!~
 ある日、甲斐の友達の工藤篤紀から、甲斐が呼んでいると呼び出された。

 ついて行ったら、階段の踊り場に二人きりになり、出し抜けに篤紀は第一声、
「甲斐ってズルくね?」
 と言うのだ。

「この前も佐久良と付き合わないって言った割に、マンマークえぐいじゃん」
 マンマークつまり、特定の相手にぴったりとついてマークすることだ。
 付き合わないなんて言っていたんだ、と初めて知った。

「あれはいつもの気まぐれだって。最近まで邪魔扱いだったもん。家来んなって言われたし、またそうなるよ」
 私は甲斐としたことのない新しい経験をするつもりはなかったし、する気配もない。
 死ぬことはないと思う。

 間もなくまた、甲斐は私を邪険にし始めると思った。
「あ、それ。俺が甲斐んちで佐久良と機会作ってくれって言ったの。それをディフェンスしたかったんだろ」
「機会?」
「今みたいに話したりとかしてみてーって」
「そうなんだ」

「甲斐んとこは親の目が緩いから、色々と便利で」
 と篤紀は後半話を濁しはじめる。
 色々便利でなにしてるんだよ、と思うけど、深入りしない。
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