愛する人と暮らす初めての日
 テーブルを挟んで向かいに座っている少尉がくすくすと笑う。


「何笑ってるんですか」

「いや、すまない。本当に仲が良いんだと微笑ましく思ってな」

「俺とリーベが仲良いのは当たり前です。俺はリーベのこと大好きですし、彼女も俺のこと好きでいてくれてるんですから」

「リュカが彼女のことを溺愛してるのはとっくに知ってるよ。報告ついでに、どれだけ惚気られたと思ってるんだ」


 少尉が笑いながら言う。
 惚気ているつもりはなかったのだが、同じようなことを同期にも言われたのを思い出す。

 すると俺の隣に座る彼女が嬉しそうに笑っていることに気づく。


「リーベなんだか嬉しそうだね」

「私とリュカは仲良しだもんね」

「……っ。そうだね、仲良しだ」


 嬉しそうに言う彼女が可愛すぎて一緒息が詰まる。
 しかも“仲良し”って言葉選びも可愛いし、なんでリーベはこんなに可愛いのだろう。

 手を握ると、彼女も嬉しそうに握り返してくる。

 その後三人で話をしていると、あっという間に昼になった。
 その頃には彼女も少尉に笑顔を向けるようになっていたし、楽しそうに話していたので何よりだ。
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