俺様同期の溺愛が誰にも止められない
「シャイで目立つことが苦手な碧先生はいかにも日本人的で控えめな女性だと思うけれど、もし恋人や妻にするなら少し物足りないかな」
「それは、どういう意味でしょうか?」

もちろん妻帯者である高杉先生とどうこうなるつもりは無いけれど、一般的な意見としてその真意を聞きたい。

「もし碧先生に恋をして猛アピールしても、いつも受け身でいられたら自分だけが好きなのかって思うだろ?」
「それは・・・」
それが私の性格だからどうしようもない。

「うまくいっている時はいいよ。でも、ひとつボタンを掛け違うと、やっぱり自分は愛されていなかったのかって思うんじゃないかな?」
「それは、私が恋愛に向いていないってことですか?」
「そういうことでもないと思うけれどね」

高杉先生が思ったようなことを素晴も感じていたのだろうか。
私が逃げ出したことを素晴はどう思っているんだろう。

「彼と話をした方がいいと思うよ」
「そうですね」

やはりこのままではいけないのかもしれない。
< 162 / 198 >

この作品をシェア

pagetop