俺様同期の溺愛が誰にも止められない
押しでダメなら引いてみろ side素晴
「はあー」
やっと取れた昼休みの時間、病院の職員ラウンジでサンドウィッチを頬張りながらついため息が出た。

考えるのはもちろんあいつのことだ。
頭がいいくせに人一倍不器用で、損ばかりして自分で自分の首を絞める水野碧。
普段から無茶をする奴だとは思っていたが、過労の末に医局で倒れたと連絡を受けた時はさすがに呆れた。
駆けつけて救急外来に連れて行き、点滴をしてから自宅に連れて帰って、それでも「大丈夫だから」繰り返す碧にイライラもした。
結局1週間の自宅療養を納得させたものの、本人はかなり不満そうだった。
あれから今日で5日。
体調もすっかり回復し数日後には勤務に戻れるんだから、これでよかったと思わなければはいけないだろうな。

ブブブ。
ん?
珍しい、母さんからの着信だ。
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