俺様同期の溺愛が誰にも止められない
コンコン。
ドアをノックする音で、私は振り返った。
「お邪魔します。お加減いかがですか?」
「ええ、もうすっかり。痛みもありません」
入ってきた白衣を着た男性に、ベッドの上で座った状態の素晴がにこやかに答えている。
「それはよかった。もう一晩様子を見てから退院の予定を立てましょう」
「はい、お願いします」
ここは大阪市内にある総合病院『影井記念病院』。私設ではあるものの規模の大きな病院で、本院は東京にありここは大阪分院になるらしい。
特に循環器科を得意とする病院だから、もちろん私も知っている。
ただ・・・
「素晴くん、ずいぶん調子が良さそうだね」
「ええ、おかげさまで」
ちょうど開いていたドアから入ってきた私服姿の高杉先生に、なぜか小さくため息をついた素晴が返事を返した。
素晴が事故現場での二次災害に巻き込まれ怪我をして運ばれてから3日。
救急車で運ばれてきた素晴は軽症で、頭部を打ったために経過観察の必要はあったものの、命に別状はなかった。
しかし素晴が怪我をして運ばれたと聞いて動揺した私は取り乱して泣き叫んでしまい、みんなの注目を浴びることとなった。
どうやらこれも高杉先生の目論見だったらしく、それについては素晴も私も文句を言いたい思いはあるが、言えないまま今日に至る
そしてなぜ今この病院に素晴が入院しているのか、それにもちょっとした理由がある。
ドアをノックする音で、私は振り返った。
「お邪魔します。お加減いかがですか?」
「ええ、もうすっかり。痛みもありません」
入ってきた白衣を着た男性に、ベッドの上で座った状態の素晴がにこやかに答えている。
「それはよかった。もう一晩様子を見てから退院の予定を立てましょう」
「はい、お願いします」
ここは大阪市内にある総合病院『影井記念病院』。私設ではあるものの規模の大きな病院で、本院は東京にありここは大阪分院になるらしい。
特に循環器科を得意とする病院だから、もちろん私も知っている。
ただ・・・
「素晴くん、ずいぶん調子が良さそうだね」
「ええ、おかげさまで」
ちょうど開いていたドアから入ってきた私服姿の高杉先生に、なぜか小さくため息をついた素晴が返事を返した。
素晴が事故現場での二次災害に巻き込まれ怪我をして運ばれてから3日。
救急車で運ばれてきた素晴は軽症で、頭部を打ったために経過観察の必要はあったものの、命に別状はなかった。
しかし素晴が怪我をして運ばれたと聞いて動揺した私は取り乱して泣き叫んでしまい、みんなの注目を浴びることとなった。
どうやらこれも高杉先生の目論見だったらしく、それについては素晴も私も文句を言いたい思いはあるが、言えないまま今日に至る
そしてなぜ今この病院に素晴が入院しているのか、それにもちょっとした理由がある。