俺様同期の溺愛が誰にも止められない
懐かしい故郷
冷夏とは言われながらも、夏はやはり暑い。
大阪から飛行機に乗り、1時間ほどで着いた私の故郷。
東京よりも大阪よりも北に位置するため気温だっていくらか低いはずなのに、飛行機を出た瞬間ムッとする熱気に足が止まった。

「やっぱり熱いわね」
「でも、気持ちいいよ」
太陽に向かって両手を突き上げて、素晴が伸びをする。

3年ぶりの帰京。
急に決まったためにかなり戸惑ったけれど、何から何まで素晴が準備してくれて私はただ飛行機に乗るだけだった。

「ほら碧、行くよ」
「うん」
< 186 / 198 >

この作品をシェア

pagetop